ペンギン・ハイウェイ(森見 登美彦)

この本の読後感を一言で表現するのはとても難しい。
研究好きの主人公アオヤマ君なら、的確な表現を見つけてくれるかもしれない。

ある日、突然現れたペンギンたちの謎、そしてお姉さんの謎を研究していく主人公は、理屈っぽくて理性的な、ある意味では子供らしくない少年である。
しかし、物事への好奇心や、人間への無知(無垢?)なところは小学生らしさも持ちあせていて、不思議な魅力のあるキャラクターとなっている。

私にとってこの作品は、理屈を考えながら読むのではなく、いろいろな想像力を働かせながら読んだ作品で、読みながら全然違う空想の世界へと想像を広げること多々で、文字を眺めながら全然違うことを考えた時間がたくさんあった。
それは、子供の頃に持っていた「空想」という力を思い出させてくれるもので、普段使っていなかった脳の一部が筋肉痛になるくらい活性化した気がする。

この本を読むときは、童心に帰り、好奇心をもって頁を捲ってもらいたい。
森見ワールドにどっぷりと浸らせていただいた一冊だった。

個人的おすすめ度 3.5