ゲルマニウムの夜(花村 萬月)

青年の神への冒涜ともとれる数々の行動には、空虚で何もない自分へのいら立ちが感じられた。
厭世的な表現をしながら、どこかで最期の倫理を超えることを躊躇する自分がいる。
そこに読者としての共感があるように思う。
芥川賞受賞作らしさのある作品だった。

個人的おすすめ度 3.5