ざんねんな食べ物事典(東海林 さだお)

居酒屋で与太話に花が咲くことはよくある。深夜になるほど盛り上がって、翌日考えると大して面白くもない話題も楽しくて仕方がない。くだらないけれど、よくそんなこと思いつくなと感心するような話題が満載のエッセイ集である。

冒頭のラーメンの話も、歯磨きの話も、掘り下げる方向性がとんでもない方向にあるのだが、気の合う仲間と飲みながら話をすると確かにこんなことになるなと苦笑しつつ読む。中盤のチェーン店道の対談は、少なからず共感するところがあり、さらに呑みつぶれツアーの話題に至っては、この本を読んで良かったなという気持ちになっている自分がいた。

物事を深く考えることは大切だろうが、その方向が違うとこんなことになるんだなと、複雑な思いをもって読了した。

個人的おすすめ度 3.0