こうふく みどりの(西 加奈子)

中学生の緑やその母、祖母、従妹など、悩みながらも強く生きていく女性たちはとても素敵だ。
それぞれが幸福という人生のジグソーパズルを組み立てているようで、でも出来上がってくる絵は思い描いていたものとは違っていたりする。
しかし、彼女たちはただ悲しみに暮れてはいないし、涙を拭って笑顔を見せる。
みんなお互い様だとわかっているから、かっこつけすぎず、つらい時にはつらいと言い、ダメな面もさらけ出せる。
そこにはみんなの居場所があるんだろうと思う。

後半に出てくるアントニオ猪木の有名なあの言葉は、読んでいて鳥肌がたつほど感動した。
読めば読むほど引き込まれ、生きる活力をもらった一冊だった。

個人的おすすめ度 4.0