きりんの家にようこそ 見事に人生を生き切った人々(平蔵 見子)

ホームホスピスを作ると宣言してつくられたきりんの家には、人生の最期をどう生きるかを考える人たちがいる。入居者だけでなく、その家族、そして支援する人たち、みんなでお互いの人生がどうあるべきかを考えて行動している。

この本には著者がかかわった人たちの人生の一端が描かれている。本当にこれで良いのか、もっとできることがあったのではないかと自問自答しながら一人一人を振り返る。明確な正解はないのかもしれないが、自分のことを考えてくれる人がいるということがどれほど幸せなことなのだろうと思う。

自分自身の死に直面するのはやっぱり怖いし、それを受け入れていくのは容易なことではないだろう。もちろん残された家族にとっても同じである。そして、誰もが経験しなくてはならない現実であるのだから、社会としてその準備がしっかりできる環境が必要である。

淡々と語られるそれぞれの人生──家庭で、施設で、医療現場で、介護現場で、様々な場所で今日も人々は一生懸命生きている。

個人的おすすめ度 3.0