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法定遊戯(五十嵐 律人) – まったくの拓の読書備忘録

法定遊戯(五十嵐 律人)

ロースクルールの生徒たちによる無辜ゲームと呼ばれる模擬法廷。審判者、告訴者、犯人、証人、そして傍聴人、それぞれが校内で発生した事件をもとに審判を仰ぐのだが、何気ない遊びにさえ見えたこのゲームは、やがて実際の法廷と繋がっていく。

無実と冤罪の違いは何か、無辜の意味とは、罪と罰の在り方など、人が人を裁くことがどのように法律として規定されているのかといった部分はとても興味深く、また、とても難しいテーマだと考えさせられる。特に冤罪の可能性については、物語全体を通したテーマの一つとなっている。

主人公、その幼馴染、そして優秀すぎる同期、一人ひとりが抱える過去が明らかになっていくにつれて謎が解けていくのだが、後半は重層的な展開で最期までしっかり読ませてくれたのが素晴らしい。そして、結末での罪に対する姿勢の違いもまた心に刺さるものがあった。

人が何も罪を犯さないのであれば法律は不要である。また、人が完全に論理的な動物であれば法律など必要ないだろう。しかし、果たして罪のない世界が理想であるかと問われると答えに窮してしまうのだから、やはり人間は難しい。

個人的おすすめ度 3.5